レディ・プレイヤーワンの感想-現実と仮想現実の融合

先週の土曜、レディ・プレイヤーワンを観ました。

ネタバレ気にせずに書くので気にする方は注意。

この映画は予告やポスターでも描かれている通りVR(仮想現実、ヴァーチャル・リアリティ)についての映画である。

富裕層と貧困層がはっきり別れてしまった社会で、主に貧困層の人々は世知辛い現実から目をそらし、「オアシス」と呼ばれるVRの世界で時を過ごすようになる。

「オアシス」とはいわゆるMMOのオンラインゲームのようなサービスで、そこではゲームやダンスなどのコンテンツが楽しめ、VRでの社会文化が更に存在する。

また、オアシスでの通貨は現実と混ざっており、そこで購入したものは現実に宅配で届けられるし、オアシスでのアバターの死はアカウントリセットに近いものなので非常に重いものである。

ある日、オアシスの創始者のジェームズ・ハリデーが亡くなり、オアシス内に宝物(イースターエッグ)を隠したという遺言を残す。

主人公とその仲間は敵対者と戦いつつ、その宝物を見つけるという物語である。

この映画ではたびたび現実とネットの世界の融合が描かれる。

主人公が敵対者の致命的な弱点であるアカウントパスワードを見つけるのは現実の世界においてである(なんとパソコンの横にパスワードの書いてあるふせんが貼ってある!)し、そもそも主人公が敵対者に見つかるのはネットの世界において自分の本名を話してしまうからである。

また、敵対者にヘッドマウントディスプレイで現実世界の映像を流すことで今いる場所を誤認させるシーンがあったり、

VRで本名を話してしまったことをきっかけにして現実世界で追いかけられるシーンはまるで炎上や特定のような仮想現実から現実への影響というものを感じられる。

しかし、あくまでも主体は現実であることが描かれる。

主人公と敵対者の起こす事件の最終的な収束は現実の警察権力によってである。

敵対者はオアシスに隠されたイースターエッグを企業の力を使い探す社長である。

しかし、所詮一つの私企業であるためVRの世界では圧倒的な力で主人公を追い詰めるが、

最終的にただの警官によって逮捕されてしまう。

また、ところどころでVRの世界で戦うVRの住民が現実世界で奇妙に映るというシーンが複数回挿入される。

主人公と敵対者の戦いはVRを基本世界としてのものである。

そしてイースターエッグを全て見つけた主人公に対してジェームズ・ハリデーが言う言葉は

「現実で食うメシはうまいんだ」

である。

また、特異点的な人物として敵対者である社長の秘書がいる。

彼女だけが完全に現実の人物であり、VRパートには一切登場しない。

武力で主人公を追い詰め、彼女だけが現実で人を殴る(ぼくの記憶が正しければ)。

ネット世界だけでは人を追い詰められないのである(絵面も地味だしね。申し訳程度にカーチェイスシーンがある)。

VRは現実でのフィードバックがあってこそのコンテンツなんだろうなあという映画であった。

みんなも劇場で観よう。ガンダムが出てきてかっこいいぞ。