清掃料

年末だというのになかなか汚い話を書きます。

クリスマスの夜のことだ。

友人宅で飲んでいて、終電もなくなるような時間になんとか家に帰ってきた僕はシャワーを浴びようと風呂場に入った。

すると鼻をつく臭いが。そういえば脱衣所も変な臭いがいていたな、なんだったんろうなと風呂場を出ようと振り返るとそこには。

糞が。

家に帰ってきた状況を思い出してみると父のギターケースが乱雑に置かれていたり上着が落ちていたりした。そして脱衣所のカゴに入ったズボン、パンツを見ると状況が分かった。

僕のシャワータイムを奪うとは許せないと怒りがこみ上げてきて、まずは掃除をセねばと棚にあるバスマジックリンと長靴をとり掃除をした。ひどいものでスポンジでこすらないと汚れが落ちないうえに浴槽にもあった。

ここまでは落ち着いて掃除をしていたもののどうにもこの気分が収まらない。何かにぶつけたいと思った僕はメモ帳とペンを用意し食卓の父の席にメモを残す。

「バスタブに糞が落ちていました。掃除をしたので清掃料をください」と。

できるだけ事務的に。

「量とかは問題ではない。何か『詫び』の気持ちを自分の何かから形として出すのが重要なんだ」と思いながら。

そして少しせいせいした僕はシャワーを浴びる。

多少冷静になってきたからかさっき書いたことを考える。

「少し違うんじゃあ無いのか?酔っている状態で掃除をしたりを要求するのは無理である。第一自分が子供のときに父親がおむつを変えたりしたこともあったんじゃあないだろうか?」と。

やっぱり金銭的な要求はよくないなと思ったので「バスタブに糞が落ちていました。掃除をしたので清掃料をください やめてください。せめてパンツとかはかごに入れないでください」と書き直しておいた。

明日の朝どうなっているだろう。

父親は二日酔いでそれどころじゃないだろうか。