シロがいて 感想

シロがいて (フラワーコミックスアルファ) | 西 炯子 |本 | 通販 | Amazon

 

実家に落ちていた「シロがいて」という漫画が良かった。

 

表紙が抱きしめられる猫で、裏表紙のあらすじもよくある感じの猫と家族のハートウォーム・ストーリーのように見える。

以下、裏表紙のあらすじを抜粋。

 

新築の一軒家で一匹の

白猫と暮らすことになった

4人家族。

猫の成長とともに、

変わっていく家族のかたち。

親子、夫婦、家族……ってナニ?

西 炯子が贈る

猫と家族の

ハートウォーム・ストーリー。

 

 

夫婦と姉弟の4人家族と猫の話である。

 

一話は白猫を拾ってきてしまった弟くんと反対して捨ててきてしまう父親。

ただ数日してぼろぼろになりながら帰ってくる猫。それをみてほだされる父親。

こうして白猫のシロは家族の一員に。

 

一話を読んでああ、成長していく家族と猫モノなのかなあと思ったがぜんぜんそんなことはない。

猫はメインではなくどちらかというと見栄っ張りでプライドの高い父親との家族関係がメインなのである。

 

ほんとうに全然いいことが起こらない。

 

弟くんは大学受験に失敗する(父親が見栄っ張りなのでいいところしか受験させなったため)し、姉は父親に認められるような男と結婚するが2年で離婚して実家に戻ってくる。

そして父親は会社の部下と不倫をしている。

 

腹の中が見えてこないがおそらく鋭く、父親の見栄っ張りでダメなところが好きなんであろう母親がいちばんおそろしい。

姉からは「お母さん…気づいてない…」と思われていたが(たぶん)だいぶ前から気づいている。

 

結局彼女は夫が不倫相手の家を訪ねて、そこにおいてある夫の浮かれきったサンダルを家の玄関に置いておくのだ。

そして夫は失職する。

20歳になった弟くんは家を出て数年後起業をするが父親の失職を姉から聞き戻ってくる。

 

老いたシロを抱いて軽くなったな…という弟くん。

ここからの父親と母親の会話がものすごい。

 

あらすじの

 

変わっていく家族のかたち。

親子、夫婦、家族……ってナニ?

 

はこのシーンにかかってくるのである。

ただハートウォーム・ストーリーかと言われるとどうなんだろう。